おるたネットニュース vol.22 2017年5月12日配信
コラム:残業と家庭学習は同じ
古山明男
残業が問題として取り上げられる時代になってきました。
残業があるというのは、仕事の効率が悪いためではないだろうか。増やすべき人員を増やさないために、働く人に無理をさせているのではないだろうか。
そもそも、働く人の家庭生活、社会的活動などの余地を奪うことは非人間的なことではないだろうか。
そのような疑問が出されてきています。残業のない会社が実際にできてきています。
ではどうして、学校に関しては、宿題と家庭学習が疑われないのでしょうか。学校に行くだけでは足りなくて、宿題を出され、塾にも通い、試験前には時間のすべてを注ぎ込んで勉強することがエラいとされるのです。
成績を出させるために、個人の精神力と時間のすべてを投入させようとするのです。
学校が、家庭学習をあてにすることは、企業が残業をあてにすることと同じではないでしょうか。効率の悪いことをやっているのです。一人の人間として生きていることを無視して、成績だけ出させようとするのです。
いまの残業社会の精神的風土を作っているのは、学校ではないでしょうか。学校は「個人生活を犠牲にすることが当たり前」ということを刷り込みます。「頑張るのがエラい」のです。
その結果は、自主性が育たず、できることならサボりたがる、型にはまった人材の大群です。
教育にあたる人たちが、子どもたちの中に見ていなければいけないのは、人間として生きる知恵と力です。学校が、生徒の成績を生産するマシンになったとき、社会そのものから大事なものが失われます。
イベント情報
「PBLアドバイザー養成講座」 PBL研究所による「PBLアドバイザー養成講座」
29年度の1回目が下記のとおり実施されます。 この講座は近未来型の学習形態と目され、欧米では一般的なスタイルと なりつつあるProject-Based Learning(略称:PBL)を効果的にサポートするアドバイザーの養成を目的としています。
日時 2017年6月17日(土)
場所 キャンパスイノベーションセンター
東京都港区芝浦3-3-6
JR山手線・京浜東北線「田町駅」下車徒歩1分
都営三田線・浅草線「三田駅」下車徒歩5分
http://www.cictokyo.jp/access.html
内容 (「PBL研究所総会」に引き続いて)
12:30~ 受付開始
13:10~ アドバイザー認定式
13:20~ §1.PBLが注目される背景
15:10~ §4.基礎理論1~環境とニーズの適合理論
17:30~ 情報交換会
(田町駅周辺の別会場で実施します)
参加費 1コマあたり1,500円(研究所会員1,200円)
情報交換会5,000円
*前日・当日のキャンセルには参加費を申し受けます
受講申込 http://www.kokuchpro.com/event/pbl201701/
こくちーずPROにリンクします。
定員に達し次第、締め切ります。 詳細 http://pbl-japan.com/activities/pbl-advisor/
編集後記
イエナプラン教育を導入した私立小学校が長野県南佐久郡佐久穂町に開設される方向で準備が進んでいるそうです。これからの動向に注目ですね。
(きむさと)