おるたネットニュース vol.27 2021年10月5日配信
コラム：学校に合わないというマイノリティ
古山明男
みなさま、「学校に合わないマイノリティ」という言葉を広めませんか。
近年、マイノリティの保護はずいぶんと進みました。街を歩くと歩道には視覚障害者を誘導するブロックが埋められています。駅には車椅子のためのエレベーターがあり、テレビニュースには手話による通訳が付けられています。最近では、いわゆるLGBT（性的指向のマイノリティ）の人たちも社会的存在として認知されるようになりました。
しかし、学校に合わないというマイノリティは、保護されていません。障害があると診断された場合以外は、本人や家庭に問題があるとされます。そもそも学校教育に合わないマイノリティがいる、という認識がなされていないのです。学校に合わない子どもたちは、集中力のない子、無気力な子、心理的に不安定な子、学校をすぐ休んでしまう子、そのような問題を抱えた子としてしか認識されていないのです。
実際は、子どもの特質、一人一人の発達の経路に大きな個人差があるというだけなのです。現実問題として、学校に合う子と合わない子がいます。本人にいくら努力を強いても、与えられた学校教育からは吸収できない、あるいは学校生活が苦痛である子どもたちがたくさんいるのです。
しかし現実には、そういう子どもたちを学校に慣れさせようと多くの努力がなされ、多くの場合、結局はその子たちを追い詰めています。そのような子どもたちを、学校に合わないマイノリティだと認識したら、無理な教育を強要せずにすみます。その子に合った教育を生み出すことができます。
みなさま、「うちの子は学校のお荷物で．．．」と言わずに「うちの子は学校に合わないマイノリティで．．．」と言いませんか。
会話のはしはしに、SNSでの発信に「学校に合わないマイノリティ」という言葉を織り込みませんか。
その言葉が広がるだけで、教育はほんとうの意味の個性尊重ができる方向に動くと思います。
イベント情報
デモクラティックスクールまんじぇ学校説明会＆お茶会
日時: 2021年10月16日(土)10:00 ～ 12:30
場所: デモクラティックスクールまんじぇ（愛知県一宮市)
定員:なし
参加費
説明会：大人ひとりにつき1000円
お茶会：ドネーション制（ご自由にお決めください。）
内容詳細
https://m.facebook.com/events/185239950407462/
JDEC 日本フリースクール大会
日時:2021年11月28日(日) 10:00～19:15
場所: オンライン(ZOOM)
参加費
大人：3,000円
学生：1,000円
協賛団体：7,000円（団体から何名でも参加可）
内容詳細:
https://peraichi.com/landing_pages/view/jdec2021
【オンライン】こどもの森のハッピーアドバイス「人生の悲劇は『いい子』に始まる」
日時:
第1回 2021年9月8日(水)「どこまで甘えさせたらいいの？」（終了しました）
第2回 2021年10月13日(水)「人生の悲劇は『いい子』に始まる」
第3回 2021年11月10日(水)「わたしはわたし。あなたはあなた」
第4回 2021年12月8日(水)「人生は自分次第～リフレーミング～」
時 間：10時～12時
参加費：1500円
定 員：12名
場所:オンライン
内容詳細
https://cokreono-mori.com/event/20211013.html
編集後記
令和に入り、教育多様化への動きが本格化しています。「普通教育機会確保法」が浸透し始め、不登校の子どもたちの保護が進んでいます。イエナプラン校が、長野県の大日向小学校で開校しており、広島県でも常石小学校が来年から本格開校します。経産省が「未来の教室」を提唱して、これまでの一方通行の教育に変わる教育の開発を支援しています。教育の新しい時代が、始まっていることを感じます。
（古山）
