多様な教育の実際

多様な教育とは?

子どもたちは一人ひとり成長の仕方も学び方もちがうのですから、教育も一つではなく多様であっていいのではないでしょうか。「みんな同じ」が平等ではないはずです。

一人ひとりの子どもの能力、適性、興味・関心の多様さも、障がいの有無や人種・国籍などの多様さも、もっと考慮されていいと思います。教師主導の一斉授業方式にこだわらない、新しい教育スタイルへの取り組みや、さまざまな教育プログラム、さまざまな学校があってもいいのではないでしょうか。

欧米等の市民社会が成熟した国々では、多様な子どものニーズに応じたさまざまな教育プログラムをもった学校があり、その子に合った学校を選ぶことができます。また市民が容易に学校をつくれる制度もあります。多くは公的助成があります。

  • 子どもたちの多様なニーズに応じたいろいろな学校・教育機関があり、自分が受けたい教育を自分で(保護者と一緒に)選べる、自分たちでつくることもできる。
  • 国や自治体はそうした学校・教育機関を援助し、社会全体で子どもの育ちに責任をもつ。

そのような個々人のもつ学習権や「教育への権利」をきちんと保障する社会が今、求められています。

日本の多様な教育

日本では近年、さまざまな教育提言が行われ、公教育のなかでも画一的な教育を越えていく努力が続けられています。一方、現行の学校の枠組みの外側でも、特色のある実践が行われています。

しかしその多くは、法律上の学校としては認められず、それゆえさまざまな困難を抱えています。金銭面を含めた支援がないために運営が難しかったり、高額の費用がかかるために誰もが通えなかったりします。また規模が小さい学校も多く、そのような学校は問題が起こった時に、教育面でも運営面でも孤立無援になりがちです。

そのような実態を行政に訴えても、制度の“壁”に阻まれることが多いのが実情です。そのような困難のなかでも地道な実践を続けている日本の多様な教育を、以下に見てみます。

理念中心型教育

状況対応型教育

このような草の根の教育実践が、日本社会の中で今、着実に広がってきているのです。

※ フリースクール、ホームスクールは運営の一形態として捉え、これらの分類には含めないこととします。

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