おるたネットニュース vol.62 2026年3月14日配信
罰とご褒美を当たり前と思わないで
古山明男
私塾とフリースクールをやってきました。
「善悪を大人が決めておき、それに従って罰とご褒美を与える」ことは、教育方法として問題が大きいことを感じています。
すぐに大声をあげて騒ぎ出し、動き回る子どもたちがいます。「静かにしなさい」という指示は、彼らにとって「呼吸を止める」ことと同じくらい困難です。
叱ると、その場だけはおとなしくなります。しかし、その場だけです。けっきょくもっと不安定になって、いつまでも「問題児」のままです。
こういう子どもたちは、「心地よさ」が不足しています。自分の身体に対する居心地の悪さがあり、それが表に出そうになると、騒いでしまうのです。彼らは、暖かいケアを必要としている子どもたちなのです。
木登りをうまくやったので「すばらしい」と褒めたら、怒り出す子がいました。
誰かのためにやったのではないのです。自分の満足感で十分だったのに、「やらせる → 評価する」の文脈の中に入れられてしまったのでした。
絵を描くことに熱中する子どもたちがいます。すばらしい絵を描くので、その絵を褒めたたえたり賞をあげたりすると、「どう見られるか」を気にするようになってしまい、凡庸な絵しか描かなくなります。
多くの学校が、褒めたり叱ったりすることで子どもをコントロールしています。
大人たちが相手であれば、それなりの合理性はあります。大人の脳は自分の損得勘定ができます。しかし、子どもはまだ感覚や情動で動く脳を作っている最中なのです。
「いい、わるい」や「点数づけ」を越えて、彼らがなにをしたかったのか、どういう困難や工夫があったのか、という次元でコミュニケーションをとっていくと、彼らは理解者が現れた、支援者が現れた、と感じます。
(ふるやまあきお 教育研究家 おるたネット代表)
イベント情報
【黒川里山センター】里山で間伐・植樹・道づくり|里山林をつくろう
- 開催日:3月中(※詳細はサイト内の「3月のイベント」をご確認ください)
- 主催:認定NPO法人コクレオの森
- 詳細:http://cokreono-mori.com/event/2026-03-01-01.html
「できたね」がいっぱい☆母里ん子3月オープンデー☆愛知県
- 開催日:3月中
- 主催:母里ん子(掲載:森のようちえん全国ネットワーク)
- 詳細:https://morinoyouchien.org/dantai_news/call-for-participation/post-18997.html%EF%BC%9D
イエナプランを学ぶ体験・実践講座〈基礎編・応用編〉
- 開催日:基礎編 3月21日〜、応用編 7月11日〜
- 主催:一般社団法人やまもも学園基金
- 詳細:https://japanjenaplan.org/news/jena_kiso_ouyou_kochi/
工藤勇一氏と語る「不登校でも大丈夫って本当ですか?」(一般公開講座・録画配信付き)
- 開催日:3月28日(土) 10:00
- 主催:多様な学びプロジェクト(とまり木オンライン)
- 詳細:https://online.tayounamanabi.com/lecture/20260328/
【イエナプラン オンライン講座】全体像をつかむ『基礎編』(全6回)
- 開催日:4月17日(金)-7月3日(金)
- 主催:日本イエナプラン教育協会
- 詳細:https://www.honnoki.jp/c/JenaCourse/JenaCourse_basic
森のようちえん 指導者養成講座@宮城
- 開催日:4月25日(土)、26日(日)
- 詳細:https://morinoyouchien.org/dantai_news/post-19159.html%EF%BC%9D
編集後記
古山さんのエッセイを読んでいたら、自分の小学校時代を思い出しました。私は図工が得意で、先生はよく私の作品を見本としてクラスのみんなに紹介していました。そのときは誇らしかったけれど、それは徐々に私の中で「上手く描けることが価値」という考えに変換されていったような気がします。大人になると、自分より絵が上手い人は五万といることを知る。すると、絵を描いたり何かを創ったりすることに対する恥ずかしさを感じるようにもなりました。「ただ楽しいからやる」この感覚を、子どもたちから奪ってはいけないなと思います。
建石

