多様な教育を推進するためのネットワーク / Network for the Promotion of Educational Diversity

ATOM 印刷 サイトマップ

デモクラティック・スクール(サドベリー・スクール)

デモクラティック・スクール(サドベリー・スクール)とは、1968年にアメリカ合衆国マサチューセッツ州フラミンガムで始まった私立学校、サドベリー・バレー・スクールの教育理念と実践をモデルにした学校の総称です。

アメリカ合衆国・カナダ・デンマーク・イスラエル・日本・オランダ・オーストラリア・ベルギー・ドイツなどに約40校、日本に5校あります。

制度:

生徒は4歳から19歳までを対象としています。

(対象年齢はスクールにより多少異なります。)

学年分け、クラス分けはせず、異年齢の生徒が学校で一緒に過ごします。

サドベリースクールは、スタッフも生徒も等しく1票を持って参加する民主的な話し合いによって運営されます。

校則、予算、採用・解雇、規律についても、話し合って決めています。

デモクラティックスクールと呼ばれる由縁です。

教授法:

子ども達は自分のしたいことを毎日欠かさず続けることで学んでいます。

予め決められた授業内容やカリキュラムはありません。

理由は以下です。

  • 産業の時代から情報の時代に移り、無数の新しいものが常に生み出されている

  • 情報時代の子ども達は関心のあるすべての物事にアクセスすることができる

  • 学びはあらゆるときに起こる。

  • 人が生まれつき好奇心を持ち、学ぶ意欲を持っていることを信頼している

    スクールの大人は「スタッフ」と呼ばれ、生徒から要望があった時に、いつ、何を、どのように学ぶかを話し合って決めます。

    スタッフは生徒との自然で対等な人間関係を築き、生徒の求めに応じて教えたり、学習のサポートや学校を存続・維持するために必要な仕事をします。

    遊びと会話を通しての学び、生徒同士の学び合い、自主学習も盛んです。

学力評価と成績:

学習が自己の動機、自己管理、自己批判によって最善の形でもたらされるという考えから、学校側から公的な評価(通知表など)を与えることははありません。

学校評価:

日本にあるデモクラティック・スクールは、学校法人として認可されていません。

家族から選ばれ、続いていることが学校の評価です。

学校の本質的な特性、精神:

自由な学びと自治(民主主義)

  • 自分を尊重する

    好奇心は自尊心や自信へとつながるもので、情報革命後の社会では特に必要とされる要素です。

  • 他者を尊重する、環境を理解する

    他者を尊重すること無しに真に自分を尊重することはできません。

    また、自分を尊重すること無しに真に他者を尊重することはできません。

    外面的な秩序・規則の形態(ストラクチャー)よりも、個々人の内面的な規律が育まれているかどうかが重要だと考えます。

    スタッフも生徒も等しく学校の大切な構成員の1人として、実際に学校運営に参加することは、お互いに自由で尊重しあう人間関係と、それを可能にする学校(コミュニティー)を築くという学びもあります。

子ども観や教育観:

人はみな自ら必要なスキルを学んでいく潜在的な能力をもって生まれて来ます。

子ども達は人間性の本質である生来の好奇心に突き動かされることで、自分を取り巻く世界に分け入り、それを我がものとしていく途方もないエクササイズを続ける努力家です。

人生のなかで意味を持ってくる学習とは、甘言、または褒美、あるいは圧力のないところで、学び手が自分で選んだ対象のなかに自己を投企するとき、はじめて成立する種類のものです。

また教師(スタッフ)は、学ぶ意欲と決心を持つ生徒を得たとき、はじめて比類なき達成感にひたることができます。

学校は前に進もうとする子どもの意欲に答えるだけでいいのです。

自由とともに、個々の子どもの諸活動の責任もその子どもとともにあります。

開放的で正直で、信頼にあふれた、権威的にもたらされた競争、強制、管理による恐怖の存在しない環境。権力や権威がもたらす恐怖の一掃された学校では、子ども達は心を開いて自分のもてる力のすべてで学ぶことができます。

子ども達はあらゆることから学びます。

教科教育に限らず、全ての活動は等価です。

関係書籍:

  • 「世界一素敵な学校―サドベリー・バレー物語 」

    ダニエル グリーンバーグ (著), 大沼 安史 (翻訳) 緑風出版

  • 「自由な学びが見えてきた―サドベリー・レクチャーズ 」

    ダニエル・グリンバーグ著 大沼安史訳 緑風出版

  • 『自由な学びとは - サドベリーの教育哲学』

    ダニエル・グリンバーグ著 大沼安史訳 緑風出版

    [原著]Daniel Greenberg (1994)

    Worlds In Creation, Sudbury Valley School.

本記事のトラックバック