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おるたネットニュース vol.14

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 ┃  おるたネットニュース vol.14 2015年8月31日配信    ┃
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・コラム…………………なんで学校に行かないといけないの?
                   東京サドベリースクール 杉山まさる
・各種イベント情報……近日開催される各種イベント情報
・編集後記


■ コラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

なんで学校に行かないといけないの?
                東京サドベリースクール 杉山まさる

これは、誰しも一度は考えたことがあることかと思う。

この原稿を書いているのはちょうど8月の中旬。
世の小学生、中学生、高校生には、夏休みが半分終わり、
「もう夏休みが半分すぎちゃったの?もっと夏休みが長ければいいのに」
と思っている子もいるに違いない。

私などは、
「あ~夏休みが冬まで続かないかな~」
などと考えていたものだった。

しかし、そもそもその学校に自分で行きたくて行っているはずなのに、
なぜそのようなことを思うのだろう。

私は、その一つの要因は、その子が本当にはその学校に行くことを選んでいないからだと
考えている。もっと言えば、自ら目的をもってその学校に行っているわけではないからだと。

たとえば大人が、海外で働きたい、または仕事で英語が必要になり、英語を話せるようになりたい
と思ったとする。ならば、英会話学校に通うという手段がある。自分一人だけではモチベーションが
続かないからなどの理由で、学校に通った方がいいだろうとなる。
こういった場合は「英語を話せるようになるために、英会話学校に通う」と、目的と手段が明確だ。

そして大事なことは、自分で気づいたにせよ、人から言われたにせよ、最後は自分がこれを
やろうと思い、すっと行動したということだ。そういう場合は主体性が全く違う。
この主体性が大事なのだ。

しかし、「この学校にこれをやりたくて行きたい」というものがないのであれば、いやになるのも
当然だろう。それでは夏休みがたくさんほしいはずだ。

ましてや、学校や大人の側が、その子のいいところを大切にしよう、興味をひたすら伸ばせるように
してあげようという場ではなく、誰かが決めたやるべき事の中で、人並みにできていることはいいから、
できていないことを人並みにできるようにならなくてはいけない場にしていたら、それを面白がれる子は
いいが、基本的には苦痛である。

世の中には一般的な学校の勉強には全然(あるいは全く)興味を持てないが、大好きな音楽のことになると
目を輝かせて話す子がいる。オシャレにとんでもなく興味がある子、粘土でビックリするくらい精巧な恐竜を
つくる子もいる。

「だからなんだ。それがなんの役に立つのだ。それより基礎的な勉強をした方がいい」と言う大人がいる。
私は、「そんなこと言うなよ」と言いたい。そもそも、基礎的な勉強ってなんなのだろうか。

その子は将来、何万人もの人が感動して、心の支えになる曲をつくるかもしれない。
その子は将来、まったく新しい服のモードを確立しているかもしれない。
その子は将来、特殊メイクアップアーティストとして、皆が本物と間違えるほどの特殊メイクを駆使した
SF映画づくりに関わるかもしれない。

そしてもっと言うと、別にそんなに社会に影響を与えなくてもいいとも思う。本人が幸せならいいじゃないか。
幸せをたくさん経験している人は、素敵な人だ。それだけで十分じゃないかと思う。幸せな子ども時代は、
原体験として一生その人の中に残る。

なぜ、学校のカリキュラムができないというだけで彼らの幸せな時間を、才能を埋もれさせてしまうのだろう。
私は、興味のあることを、他人の価値観のかからないところで、とことんやらせてあげたい。そして実は、
興味のあることは、自然ともっと知りたいと思い追求もする。また同じことに興味のある人とも関わるようになり、
社会性も学んでいくものなのだ。

私は現在、新しい教育の法律をつくる活動をしている。

今の日本では、大人は仕事を選べるが、子どもは教育を選べない。子どもが自分にあった学びの場、育ちの場を
選べることは、子ども一人一人の自己肯定感を大切にできる。またその個性をつぶさなくすむので、
本人が望めば社会に活かすこともできる。
やりたいことを色々やってみて、その中から好きなことを見つけて、さらに追求してみればいい。
そして人との関わりを、実際の体験の中から学んだらいい。

そのためには、学校や家庭のような様々な学びの場や育ちの場があるだけでなく、それを支える制度が
あることも必要だ。なぜなら、現在の法律上、子どもには教育の道が一つしかないからだ。それで子どもの
個性を大切にしようなどといっても難しいと思う。なぜなら当たり前のことを言って恐縮だが、個性は
十人十色だからだ。1000万人の子どものそれぞれの個性を大切にしようにも、一つの道しかないのでは、
個性は大切にはできない。大人も業種が一つしかないとしたらどうだろう。ありえないはずだ。
しかし子どもの教育の世界はそれが当たり前なのだ。
私は今の学校や教育が良くないと言っているのではない。大人が自由に仕事を選べるように、子どもが
もっと色々な学校や教育を選べる方が健康的だと言っているのだ。

(次回に続きます)

■ 各種イベント情報 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

〇 学校外の学びを応援する法律をつくろう 全国キャラバン!!in東京

 「フリースクールでの学びが認められるって本当なの?」
 今、議員立法で提案されようとしている「多様な教育機会確保法案」について、
 法案成立に向けて理解を深めるための全国キャラバンです。
 法案について知り、子どもにとってより良い制度づくりとなるよう、ともに
 考えていきましょう。

 日時:2015年08月31日(月)18:30~20:30(18:15開場)
 場所:東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎 会議室
    東京都千代田区神田佐久間町1-9
 参加費:   無料
 主催:NPO法人フリースクール全国ネットワーク、多様な学び保障法を実現する会


■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

内閣府より夏休み明けの青少年の自殺者が突出していることが発表されました。
それ以来、連日ニュースなどでこの件がとりあげられています。
原因は、どんなにつらいことがあろうとも学校にいかなければいけない、
という状況です。
この現状を打破する法案が今国会で提出されようとしています。
本日も都内で、この法案について考える集まりが開催されます。
多様な学び・生き方を選べる世の中をみなで創りあげて参りましょう。
                     木村聡(きむさと)

【おるたネットニュース】

発 行 日:およそ月1回発行+臨時号
発行開始日:2014年11月19日

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